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作者 Tommy6 原作 涼宮ハルヒの憂鬱
ジャンル 恋愛,イベント
カップリング キョン-ハルヒ
掲載 2007/08/20(Mon.) 更新 -
暑さ嫌いにとって地球温暖化は割と深刻 -後編- [Side Haruhi]
注意 - これは複数ページに分かれている作品のうちの後編別人視点バージョンにあたります。前編・中編及び後編をお読みになられてからご覧ください。












明日になれば忘れてしまうようなくだらないことをキョンと話してると、聞き覚えのある独特の音が今日の花火大会の始まりを告げた。



















「わぁ・・・・」


ほんと、花火なんて何年ぶりかしらね?大分前にキョンにも話してあるはずだけど、あの野球場の一件以来私はこういう人でごった返すような場所意識的に避けてきたから。
でもやっぱり、写真や映像で見るよりもずっと綺麗。こんなのを何年も見過ごしてきたなんて、ちょっと損した気分になるわね。













そして、気になることがもう一つ―――――――――――


















さっきからキョン、花火じゃなくて私のほうを向いている気がする。

暗い上に、キョンのほうを向いてるわけじゃないからいまいちはっきりしないけど、何かを感じるのは確か。

それはそれで嬉しいんだけど、このままじゃ落ち着かないし、こいつに確かめなくちゃなんないこともある。



「ん?どうしたの?」

「いや別に、何でもない。」

「なんでもないって事は無いでしょう?・・・・・・・・・・・・・あー、もしかして、私の顔に見とれてたとか?」

「いや、違う。」

「でも、ちょっとぐらい・・・。」

「断じてそんなことはない。」

「・・・・・・・・普通、こういう時は嘘でもいいから認めるもんじゃないの?」


ちょっとは取り乱すかな、なんて思ったけど、なんでここまできっぱりと言い切れるの?っていうぐらい見事な否定。せっかく浴衣も新調してきたんだから、少しは認めてくれたっていいと思うんだけど。


「冗談だよ。まぁ、正直に白状すると、見とれてた。少し。」

このムカツク苦笑い顔、殴っていいかしら?さっきまでの清々しいくらいの否定は何だったのよ?

「まったく、最初から素直にそう言えばいいのよ。でも、あんたみたいな甲斐性無しがこんなこと言い出すなんて一体どうしたの?」

「なんだかえらく失礼な言い草のような気もするが、実際、今回の花火イベントだって古泉が提案してくれたわけであって、俺が思いついたわけじゃないから反論できないのも事実なわけで。」

「・・・はあ。ほんっとうにあんたは馬鹿が付くほど正直よね。そんな事、黙ってれば永久にわからないでしょうに。でも・・・・・・・・・、結構嬉しかったのよ?」

「いやまあ、確かに二人で出かけるのは久しぶりだけど、それ以前にも色々な場所に行ってただろう?そこまで言うほどのことか?」













うん、二人で出かけるというだけならここまで言うほどじゃない。

でも――――――――――――













「確かにそうだけど、今までは全部私が思いついてあんたがそれに付いて来てたでしょ?あんたからどこか行こうなんて誘ってくれること滅多に、ううん、一回も無かった。」

「そりゃあ、黙っててもお前があっちへこっちへと引きずり回してくれたからな。俺が下手な提案するよかよほどましだと思ってな。」

「あんたと一緒で私は楽しかった、それだけは確信を持って言える。だけど・・・・・・、不安だったのよ。私がただ一方的にあんたを引きずり回してるだけで、あんたはそれに仕方なく付き合ってる。別に楽しくなんかないんじゃないか、ってね。」

「・・・・・・何を言い出すかと思えば。俺がお前と出かけて嫌な顔したことあったか?少なくとも俺は、そんな事一度たりとも思ったことないぞ。」

「うん。そうやって何度も振り切ろうしたわ。でも・・・・・・、言葉で表してくれなきゃ、行動で示してくれなけりゃ心の底から納得できないことだってあるのよ。だからといって、正面きってあんたにそんなこと言うなんて出来るわけない。結局どうすることも出来ずにいたところに、あんたが今日の花火に誘ってくれた。だから・・・・・・・、嬉しかったのよ。」















本当に、今日ほど嬉しい日は無かった。


いつ、どこで、何をするでも言い出すのは常に私。それに色々文句をつけながらついてくるのがキョン。どんな無茶なことを言っても、なんだかんだ言っても付き合ってくれたという点ではむしろ及第点。

確かに、私たちの関係がSOS団団長と平の雑用係に過ぎない頃だったらそれで良かったのかもしれないけど、今は違う。

追従するでも先導するでもなく、私の隣に立って共に歩んでいく存在であってほしい。

楽しいと思える時間を、相手が隣にいるという確信を持って共に積み上げていく。

それが、本来あるべき姿。

けれども、私とキョンの関係は良くも悪くも変わることなく、今までずっと過ごしてきた。






古泉君には感謝しなきゃいけないわね。結果的に、私達が閉塞したこの状況を打破するきっかけを与えてくれたんだから。
ま、古泉君妙に察しがいいから、私の思いとか全部解った上でのことだった、っていう可能性も十分あるからちょっと怖いけど。






今すぐどうにかできる問題じゃないけど―――――――――――



今、私の中に宿る不安を払拭する妙薬として、


約束を―――――――――



















「なぁ、ハルヒ。」


今までないぐらいの真剣な表情で、キョンは私のほうを向いている。


「うん?」



「俺は、これからもお前と一緒に居たいし、もうお前に不安な思いをさせたくない。今は口約束しかできないが、それでもお前は納得してくれるか?」




「それ、本当でしょうね?」



その場しのぎの軽い約束なんて真っ平ごめん。キョンがそんな軽薄なこと口にする奴じゃないってことはよく解ってるけど、確かめずにはいられない。


「ああ、絶対だ。約束する。」








何一つためらうことなく、キョンは私に宣言する。



「ま、今はその言葉を信じるしかないわよね。後は、この先あんたがそれをどう行動で示すかだし。」

今はキョンの言葉を信じる以外に術はない。それに・・・・

「無い頭振り絞って色々考えてみるさ。」


「せいぜい頑張ることね。」






根拠は無いけれど、キョンなら私が一番ほしいものをくれる。そう信じられる。






いつの間にか停止しかかっていた私たちの時間。

それがまた、正確な時を刻み始めるように――――――――――――――――


























「あ、そうだ。」


「ん?何だ?」









































「せっかく二人で花火見に来たんだし、もうワンステップ上の展開があっても良さそうなものじゃない?」






































「はい?」
















さて、この甲斐性無しはどう出るかしら?






















































私の隣に、あなたは居てくれますか?






ほい、後編ハルヒバージョンです。
後編をベースに、キョンをハルヒに置き換えるという、手抜き感漂う方法で書きました。
一応、これにて暑さ嫌いにとって〜シリーズは完結となり、次回は新たな短編を追加する予定です。
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