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作者 Tommy6 原作 涼宮ハルヒの憂鬱
ジャンル 恋愛,イベント
カップリング -
掲載 2007/08/12(Sun.) 更新 -
暑さ嫌いにとって地球温暖化は割と深刻 -後編-
注意 - これは複数ページに分かれている作品のうちの後編にあたります。前編及び中編をお読みになられてからご覧ください。












他愛の無い雑談を開始して程なく、独特の空切り音が本日のメインイベントの開始を伝えた。










「わぁ・・・・」


そう驚嘆の声を上げたっきり、ハルヒはじっと花火に見入っている。





次々と打ち上げられる色とりどりの花火の明かりがハルヒの顔を照らすたび、やはりその浴衣のせいも相まってか、いつもと違った表情をのぞかせる。








引き寄せられるようにしてその横顔を眺めていた俺の視線を察知したのか、


「ん?どうしたの?」

「いや別に、何でもない。」

「なんでもないって事は無いでしょう?・・・・・・・・・・・・・あー、もしかして、私の顔に見とれてたとか?」

「いや、違う。」

「でも、ちょっとぐらい・・・。」

「断じてそんなことはない。」

「・・・・・・・・普通、こういう時は嘘でもいいから認めるもんじゃないの?」


淀みなく言い切る俺に、口をへの字に曲げて拗ねるこいつの姿が妙におかしくて、自然と苦笑が浮かぶ。


「冗談だよ。まぁ、正直に白状すると、見とれてた。少し。」

「まったく、最初から素直にそう言えばいいのよ。でも、あんたみたいな甲斐性無しがこんなこと言い出すなんて一体どうしたの?」

なんだかえらく失礼な言い草のような気もするが、実際、今回の花火イベントだって古泉が提案してくれたわけであって、俺が思いついたわけじゃないから反論できないのも事実なわけで。

「・・・はあ。ほんっとうにあんたは馬鹿が付くほど正直よね。そんな事、黙ってれば永久にわからないでしょうに。でも・・・・・・・・・、結構嬉しかったのよ?」

いやまあ、確かに二人で出かけるのは久しぶりだけど、それ以前にも色々な場所に行ってただろう?そこまで言うほどのことか?

「確かにそうだけど、今までは全部私が思いついてあんたがそれに付いて来てたでしょ?あんたからどこか行こうなんて誘ってくれること滅多に、ううん、一回も無かった。」

そりゃあ、黙っててもお前があっちへこっちへと引きずり回してくれたからな。俺が下手な提案するよかよほどましだと思ってな。

「あんたと一緒で私は楽しかった、それだけは確信を持って言える。だけど・・・・・・、不安だったのよ。私がただ一方的にあんたを引きずり回してるだけで、あんたはそれに仕方なく付き合ってる。別に楽しくなんかないんじゃないか、ってね。」

・・・・・・何を言い出すかと思えば。俺がお前と出かけて嫌な顔したことあったか?少なくとも俺は、そんな事一度たりとも思ったことないぞ。

「うん。そうやって何度も振り切ろうしたわ。でも・・・・・・、言葉で表してくれなきゃ、行動で示してくれなけりゃ心の底から納得できないことだってあるのよ。だからといって、正面きってあんたにそんなこと言うなんて出来るわけない。結局どうすることも出来ずにいたところに、あんたが今日の花火に誘ってくれた。だから・・・・・・・、嬉しかったのよ。」












今日ほど自分の不甲斐無さを呪った日は無いね。


度が過ぎるほどの破天荒ぶりで俺を引っ張ってくれるハルヒに甘え、俺はただそれに追従していさえすればいいものだと心のどこかで勘違いしていたのかもしれない。

確かに、俺たちの関係がSOS団団長と平団員に過ぎない頃であればそれで良かったんだろうが、今は違う。

パートナー、というのは少々大げさかもしれんが、並進していく俺達にとってどちらか一方だけが充足していれば良いわけではない。

楽しいと思える時間を、相手が隣にいるという確信を持って共に積み上げていく。

それが、本来あるべき姿。

けれども、俺は心のどこかでそれに気が付いていたにもかかわらず、事なかれ主義的に今までの時を過ごしてきた。






古泉には・・・・、感謝しなきゃならんな。結果的に、俺が目を覚ますきっかけを与えてくれたんだからな。

まあ、あいつの場合、全てわかった上でのことだった、という可能性十分にあるから恐ろしいが。






今すぐどうこうできる問題ではないが―――――――――――



今、俺に示せる最大限の誠意として、


約束を―――――――――



















「なぁ、ハルヒ。」



「うん?」



「俺は、これからもお前と一緒に居たいし、もうお前に不安な思いをさせたくない。今は口約束しかできないが、それでもお前は納得してくれるか?」




「それ、本当でしょうね?」


「ああ、絶対だ。約束する。」








ためらうことなく宣言する俺に、ハルヒは満足そうな表情を浮かべる



「ま、今はその言葉を信じるしかないわよね。後は、この先あんたがそれをどう行動で示すかだし。」


無い頭振り絞って色々考えてみるさ。


「せいぜい頑張ることね。」





いつの間にか停止しかかっていた俺たちの時間。

それがまた、正確な時を刻み始めるように――――――――――――――――


























「あ、そうだ。」

ん?何だ?









































「せっかく二人で花火見に来たんだし、もうワンステップ上の展開があっても良さそうなものじゃない?」






































はい?












































あなたの隣は、空いていますか?
おわった〜〜〜〜〜。
無駄に時間と労力をかけ、よく解らん展開をしつつもようやく完結。
まぁ、この後編はキョンに自分をオーバーラップさせてる感もあって、なんとも言えない心境。
このあとは、後編のハルヒ視点バージョンの追加です。
下の拍手や掲示板やメール(info@ssgi.info)でぜひ感想をお聞かせください。

なお、ハルヒ達が通う高校の夏休み期間は東京都立目黒高等学校平成19年度年間行事計画(PDF)に基づきました。また、作品の都合上7月から8月初頭にかけての気温推移の設定がかなり高めになっています。

Special Thanks:蒼[浴衣デザインアドバイス,校正]

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