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作者 Tommy6 原作 涼宮ハルヒの憂鬱
ジャンル 恋愛,日常
カップリング キョン-ハルヒ
掲載 2007/11/20(Tue.) 更新 -
道交法違反だとかいう突っ込みは無しで







「このままじゃ涼宮さんと同じ大学に入れないわよ?」







えらく聞き覚えのある台詞に不吉な予感がしたのだが、案の定、先週返却された惨憺たる内容の模試分析結果に危機感を抱いた母親が予備校の入学手続きを取ろうとしていたことが判明、すったもんだの末に何とか取りやめにすることが出来て安心した今は、二度目の夏休みが明け、残暑に辟易し文句を言いながらもなんとか毎日欠かさず学校へ足を運んでいる9月初旬。













早くも次の冬休みへの期待を膨らませ青天井でテンションを上昇させ続けるハルヒに対して、俺が予備校へ通い始めること、それに伴ってSOS団の活動参加を抑えなければならないことを告げた日にはどんな目に遭うのか想像もしたくない。









そもそも、有名難関大学に何人も合格者を輩出するような偏差値の高い高校じゃあるまいし、今から受験を見据えて勉学に勤しむような向学心のある人間もそうはいないだろうに。




それに、あいつがいりゃなんとかなるような気もするしな。何の根拠もないが。










「ねえ。」

ハルヒが0.3の極細シャーペンで俺の背中を突っつきながら話しかけている今は、2時間目終了後の休み時間。授業という名の呪縛から解き放たれたクラスメートたちによる喧騒の中。

何故かは知らんが、こいつは後ろから俺を呼ぶ時、必ず痛みを伴う方法でないと気がすまないようだ。

一度、虫の居所が悪くて無視してしまったことがあるのだが、反応を示さないことがよほど気に入らなかったのか、背中にシャーペンを文字通り突き刺し、大いに後悔させられたことがある。

で、何の用だ?

「あんた、たしか自転車で来てたわよね?」

ああ、麓までだけどな。

「その自転車、荷台付いてる?」

荷台?たしか付いてたと思うが・・・・・・・、そんなこと聞いてどうするんだよ?


「私、時間の無駄遣いって嫌いなのよね。」

ほう、それは初耳だな。だったら今すぐSOS団を解散するといい。あそこほど時間浪費の見本になるものもないだろう。

「何言ってるの?SOS団の活動のどこに無駄があるのよ?」

俺達がいかに無駄なことをしてきたか書き綴ったら文庫本一冊程度じゃ済まないほどの量になるだろうよ。

それはいいとして、お前は俺の自転車で何をしようって言うんだ?

「大分前に私と有希乗せたことあったでしょ?」

ああ、あの忌々しい思い出か。なんでったって俺がただひたすら疲れるだけの苦行で古泉が小説か漫画を体現したかのような嬉し恥かしイベントだったんだろうな。

「でね、最近それ思い出してさ、思ったのよ。毎日登下校で自転車使えば時間節約できるんじゃないかな、ってね。」

ここに通い始めて2年になる人間の言うこととはとても思えんが、まあそうだろうな。

「だからさ・・・・・、毎日朝と放課後私を後ろに乗せてくれない?」

・・・・・・・・何でそうなるのか是非聞かせてもらいたいんだが。自分で自転車買って自分で乗ってくればいいじゃないか。

「お金もったいないじゃない。それに、私が買ったら私がこいで行かなくちゃいけないじゃないの。あんたが私を後ろに乗せれば、自転車は買わずに済むし私は乗ってるだけで無駄な体力使わずにすむし、お金と体力の節約になって一石二鳥じゃない。」

お前は途中まで歩かずに済むという楽ができていいだろうが、俺はどうなる。わざわざお前の家に寄るために距離は伸びるし、こぐのに力は要るしで全くメリットが無いわけだが。

「美少女を後ろに乗せて登校できるのよ?」

自分で言うかね普通。まあ、喋らずにつつましく腰に手を回してくれるようなお方――――つまりは朝比奈さんだが――――だったらそれはもう、自宅だろうが学校だろうが隣町だろうがどこでも送って差し上げるんだがよりによってお前じゃなあ。

遅いだの乗り心地が悪いだのと難癖つけまくった挙句に後ろで大暴れして、朝だけでその日の体力全部そぎ落とされるような気がしてならん。

「いいから!たまには素直に人の言うこと聞いたらどうなのよ?!早速今日から私を家まで送ってもらうから・・・・・・・・・逃げるんじゃないわよ?」



















































そんでもってSOS団活動終了後―――――――――――――





いつも通りつつがなく――――その内容については今更問うまでもないが――――活動が終了し、これまたいつもと変わり映えしない面子で坂を下っていく。

いつもと違うのは、俺がこのまま自宅へ向かうことはできず、わざわざハルヒを反対方向の家まで送らねばならないということか。



「じゃあまた明日ね!」

何故か知らんが終始いつもよりさらに上機嫌でなおのこと姦しかったハルヒであるが、朝比奈さん・長門・古泉と別れるまでの道中、ずっと俺の腕をへし折りそうな力で掴み続けていたことを申し添えておく。

逃げられないようにしているつもりだろうが、今更ここで逃げ出すほど俺は蛮勇じゃない。頬の筋肉がゲル化しそうなほど暖かい微笑みを朝比奈さんが浮かべ続けていたのがえらく悔やまれるが。





「ちゃんと荷台付いてるわね。鞄も、あんたのと二つともかごに入るだろうから問題無し・・・・・・完璧ね!」

ただひたすら俺が不利益を被るだけのイベントのどこがどう完璧なのか少しでいいから俺に説明してくれ。

「四の五の言わずに、ほら、レッツゴー!」

荷台に飛び乗って手を突き上げてるが、お前はうちの妹か。

まあ、いちいち歯向かっても詮無いことなので、結局は大人しくそれに従う他無いんだが。






こうやって走り始めて改めてわかったが、やはりあの時長門は自重を0にしていたようだな。感じる重量にまるで変化が感じられない。

「んー、楽チンねこれ。こうやって乗ってるだけで家に着くんだから。」

そりゃお前は楽でいいだろうが、少しはこっちの身にもなれ。えっちらおっちらと自転車こいでお前を家に送り、更にそのままUターンして元の場所に戻ってようやく自宅に戻れるんだぞ。

「いちいちうるさいわねえ。そんな細かいことばかり気にしてるようじゃみくるちゃんや有希に嫌われるわよ?」

お前の理不尽かつ向こう見ずな言動に対して苦言を呈するを細かいなどと言うのは後にも先にも世界中でお前一人だけだ。

むしろ、なんだかんだ言いつつも今まで付き合ってきた器の大きな人間だと賞賛してもらいたいね。朝比奈さんと長門だってそう思ってくれてるだろうしさ。

「とんだ自意識過剰ぶりね。そういう男あんまり好きじゃないんだけれど、私。」

お前にだけは言われたくないんだが。

「んー・・・・・・・、それもそうね。」

・・・・・・・・なんだ?俺の後ろにいるのは本当に正真正銘本物の涼宮ハルヒか?俺の言うことを素直に認めるなんて・・・・・・・・。

「いいでしょ、たまには。そういう気分なんだから。でも、毎日通ってるはずの道なのにすごく新鮮に見えるわね。」

そうかい、そりゃあ良かったな。

「なにふて腐れてんのよ?」

お前が日常風景の新たな一面に感動を覚えてる裏側で俺がどれだけ労苦を噛み締めてるのか少しは知ってもらいたいものだな。

「まだ言ってるの?口には出さないけど心の中では感謝してるんだからそのぐらい察しなさいよね。」

思ってるだけじゃなあ。少しは態度や行動で表してはくれないのかね。

「別に構わないわよ?800字詰め原稿用紙10枚以上に正当な理由をまとめた上で署名捺印の上提出すれば考えてあげるわ。」

そして、却下するんだろ?

「そんな事無いわ。機嫌が最高に良いときなら10回に1回ぐらいの確率で認めるわよ。」

ほとんど絶望的じゃねえか。

「ばれた?」

まったく・・・・・・・・・・・・・・・・、ってここだろ、お前の家。








愚にもつかない話ばかりしていたらいつの間にやらハルヒの家に到着したようだ。かなり前方不注意気味だったが、無事辿り着けたということで目を瞑ろう。

「もう着いたの?やっぱり便利ね、これ。それじゃ・・・・・」



そう言って颯爽と俺の右前に立って俺の顔を両手でホールドしたハルヒ。











「明日も遅れずに来なさいよーーーー。」


















事態を正確に把握するまでの数分、木偶のように立ち尽くしてたのは言うまでもないだろうね。






























お久しぶり(?)です。Tommy6です。

前回の掲載いつでしたっけ?えらく間隔空いたような;

久しぶりで感覚が戻っておりませんのでいろいろおかしなところあるやもしれませんので、どんどんご指摘頂ければ幸いです。


書いてて思ったけど、「これは何の作品?」。ただ延々たわいも無い日常会話連ねてるだけという。
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